築51 年の企業の旧独身寮に、留学生らが住まう大学国際寮としての機能を内包し、複合シェア型住宅として再生したプロジェクトである。豊かなランドスケープを付加価値として転化し、悠々としたスペースで多様な入居者が緩やかに共存する。これからの時代感を伴った郊外型シェアスペースのモデルケースとして、京王グループの協業により計画が進められた。空地率68%、丘と河川に挟まれた1000 ㎡を超える外構空間を有する敷地環境。これまでの歴史の積み重ねを象徴する大きな既存樹木やランドスケープに起因するすり鉢状の中庭環境を活かすことで、インテリアとエクステリアが大きな繋がりを持ち、自然豊かな外部環境を感じながら日常を送ることができる計画となっている。
敷地面積 | 3786.27㎡ |
建築面積 | 1,204.73㎡ |
延床面積 | 3,041.12㎡ |
階数 | 地上5階 |
構造 | 既存RC造 |
道路境界を覆っていたフェンスをすべてとり払い、道路と敷地の環境を曖昧なものとし、地域に開き、繋がっていくこれからのシェア型住宅のあり様を表現しようと試みた。またかねてより当該敷地は多摩丘陵の豊かなみどりと水路のある環境から、ホタルが生息する場所として地域にしたしまれており、その生息環境を担保するための高木植栽、鑑賞スペースの整備も合わせて計画した。この地で一定期間暮らすことになる入居者が都市環境と自然環境が共存する聖蹟桜ヶ丘の魅力を知り、愛情を持つきっかけになることをイメージした。