設計事務所が運営する植木市のイベントである。インターバルハウスの庭先に地鎮祭の神棚よりヒントを得た木製什器を製作。植木の仲卸より仕入れた植木を陳列し近隣住民への販売を行なった。割竹のアーチが販売空間へと誘導し、日除けのためにかけた簾が涼しさを演出する。みどり好きの人たちはなんの躊躇もなく情熱的な眼差しで植木を眺め、設計事務所所員である店員に話しかける。植物の性質の話から、自宅の置き場所の細部に至るまで愛好家の話は尽きない。そのときの二人の頭の中には明らかにみどりの空間が描かれており、この種が住まいの周辺環境を良化していくことに間違いはない。植物は比較的育てやすいパキラやアルテシマ、コンシンネなどの観葉植物から人気の塊根植物、サボテン系、お庭を明るくする斑入りトベラやカポックなどを取り揃えた。
みどり市のために製作した植木台。材料はすべてホームセンターで取り揃えることが可能である。
地鎮祭に神主が用意する祭壇のように脚と棚が分かれ、運搬をしやすい形となっている。植物はその形や大きさによって見る高さを変える方がよい。見上げるような高さに置いたり吊ったりして日が透ける様子や葉裏を見せる見栄えが張る場合もあれば、目線に近い高さに大きめの植物を置いて迫力を見せたり、多肉植物などの小さなものは上から見下ろして葉の展開を楽しんだり、同じ植物は2、3個群で置くと選ぶ楽しみも加わる。上の写真は蒲田のさかさがわ通りで行われているイベント「おいしい道」へ出張した際のものである。