大阪府泉南郡熊取町。これまでの動物病院の域にとどまらない新旧の病院建築を活用した街づくりプロジェクトである。旧病院は現在設備を活かし譲渡センターとして活用。新病院は犬猫個別の7つの診察室に加え、高度な医療に対応するための諸室が完備されている。働く獣医師、看護師に対するケアスペース、医師間の交流、研修及び飼い主とのコミュニケーションを目的としたセミナールーム、外待合と繋がる屋上ドッグランなどが施設運営をバックアップする。動物との繋がりが人と人との関係性を育み、施設(建築)との繋がりを深める。その輪が広がり、街のブランドづくりに寄与することをイメージしている。
病院内の動線の簡素化と回遊性を担保すべく、ワンフロアプランとなっている。それらの空間ボリュームを9本の鉄骨柱で持ち上げ雨にぬれない駐車空間を作り出している。すり鉢状の敷地にあるその建築の姿はさながらノアの方舟のような意匠性を持ち、周囲にまちづくりのコンセプトを伝えるフォーリーとなる。方舟の甲板部分、いわゆる屋上のドッグランの光景は病院内待合スペースより見上げられる格好となっている。
敷地面積 | 1,955.22㎡ |
建築面積 | 686.42㎡ |
延床面積 | 1,322.72㎡ |