熊取町を日本一動物に優しいまちに。病院に用のない人でも集まれる場所に。院長の熱い想いを受け、すり鉢状の敷地に建築を浮遊させ、気軽にみどりの公園にアプローチするような建築とランドスケープの関係を構築した。雨の日の動線確保、及び強い日差しを避けるように駐車用ピロティがあり、周囲の庭に対する縁側のような存在になっている。敷地内のみどりはこの病院に関係を持つ方々の寄付により造園され、そのみどりがこの場所への愛着を育てるアイテムともなっている。敷地の前面道路沿いには法面を保護し、河原のようなイメージをつくるためにコウテイシバを張り、敷地内に滑り降りるようなイメージをつくっている。2階の外待合には深底の木製プランターを並べて開放的にした。屋上ドックランにはナーセリーポットにオリーブやシマトネリコ、常緑ヤマボウシなどを植え込んでいる。このようなまちと人と動物の関係を結び育んでいく、“方舟”のような存在を目指した。
敷地面積 | 1,955.22㎡ |
建築面積 | 686.42㎡ |
延床面積 | 1,322.72㎡ |


7つの診療室に加え、トリミングルームやホテル、CTや腹腔鏡手術などの高度な医療に対応するための諸室を完備。ストレス軽減のために犬と猫で待合スペースと診療室を分離している。イヌシデ、イヌエンジュ、ネズミモチ、サルスベリ、ネコヤナギなどの動物の名前が入る樹木や「明日成ろう」の意味を持つアスナロ、新芽に譲るように古い葉が落ちるユズリハなど成長をイメージさせる樹木、ビワ、ミカンなどの果樹も豊富に植え込んだ。これらのみどりが来訪者のみならず、働くスタッフのストレス軽減にも役立つことを願って計画した。





